交流分析・・・NP

こんにちは。
NLPと関係が深い交流分析について述べるページです。
ただいま、PACモデルの各キャラクター(CP、NP、A、FC、AC)それぞれについて説明しています。
以前にも簡単に説明したことがありますが、ひとつひとつに焦点を当てて詳しく考えていきましょう。

【NP・・・Nurturing Parent】

「nurturing」とは、養育や育成といった意味の「nurture」の現在進行形で、「養育的な」といった意味になります。
CPと相対するものとして、あちらがよく“厳しい父親”と表現されるのに対し、NPは“優しい母親”と表現されています。

5つあるキャラクターの中では、NPが他に比べて高いと理想的だという考え方があります(もちろん、他が極端に低いのもいけませんが)
キャラクターはCPから順に折れ線グラフに表すことができますが、その線が「へ」の字になっていると、その人は「健全タイプ」であると考えられるのです。

ですが、キャラクターそれぞれは高ければ(または低ければ)良いというものではなく、どれもほどほどが良く、他キャラクターとの組み合わせやバランスにもよります。
NPがほどほどであれば、その人は愛情深く思いやりがあり、余計な口出しはせず、しかしアドバイスは与えて見守ることができ、心が広く温かいと言えるでしょう。
しかし、極端に高ければ、その人は愛情深いというよりもただ過保護なのであり、口出しをしないのは関わろうとしないだけであり、アドバイスはお節介であり、見守っているつもりが甘やかしているだけ、ということになります。
周囲の者には他人への関心が低いとも感じられるのですね。

交流分析・・・CP

交流分析やNLPについて勉強中のみなさん、こんにちは。
NLPセミナーなどで交流分析を知りつつあるみなさん、こんにちは。
今回からしばらく、交流分析の基本中の基本であるPACモデルの各キャラクター(CP、NP、A、FC、AC)について述べていってみたいと思います。
まずは、それらのうちの「CP」について。

【CP・・・Critical Parent】
「Critical」には「批判的な」といった意味があります。
親としての感情にも優しい側面と厳しい側面がありますが、CPはそのうちの厳しい側面を表しています。

CPの特徴としては、人生に対して厳しく構えている分、理想を抱きながらも現実を見据えてしっかりとした目標をもち、着実な行動を起こそうとすることが挙げられます。
固い信念があり、正義感も強いので、他者からも頼られるリーダーシップのある人と言えるでしょう。

しかし度が過ぎると、自分の考えが正しいと思うあまり他人に対して必要以上に厳しくなってしまいます。
それが「Critical」の意味通りの最も批判的な側面であり、また支配的、さらに言い換えれば単なる頑固とも表すことができます。
また、自分が持つ価値観を絶対と思う節があり、固定観念も強く抱きがちです。
頑固な人ほど、人それぞれの個性をなかなか受けいられない・・・そんな人を見たことはありませんか?

かといって、CPが低ければ良いのかというと、そんなはずはありません。
CPは自分に対する厳しさでもありますので、これがないと自分に甘いということになります。
信念も低いので周囲の影響ばかりを受けて、自分の意見を貫き通せなくなってしまうでしょう。

交流分析とTA

TAとは「Transactional Analysis」の略で、これの意味は「交流分析」。
交流分析はTAとも呼ばれており、これら両者は同じものを表している・・・というのは広義には確かにその通りですが、厳密には間違いがあります。

交流分析の創始者はエリック・バーン氏ですので、当然その当時は日本語で「交流分析」ではなく「Transactional Analysis」と呼ばれていました。
これが日本に伝わり研究を重ねていくうちに、英語ではなく日本語で「交流分析」と呼ばれるようになったのです。
そのため、TAとはエリック・バーン氏が考案したものであり、交流分析とはそれに日本の考えを織り交ぜたものを指すのだとも考えられます。
TAと交流分析を別物として考えるなら、TAこそが本流であり、しかし日本人に合うのは交流分析だということにもなるでしょう。

TAと交流分析には明らかに異なる点がいくつかあります。
例えば、自我状態(子供)の表記の仕方ですが、TAでは「Natural Child(NC)」と書き、交流分析では「Free Child(FC)」と書きます。
目に見えて判る違いでは、エゴグラムの書き方が、TAでは棒グラフ、交流分析では折れ線グラフとなっています。
・・・なるほど、日本人としては「Free」と表現したり折れ線グラフの方が判りやすかったのかもしれませんね。

人間は育った環境によって精神状態や習慣が違ってくるものなので、国が違うとなると学問でさえ大きく変容します(お国柄というものです)
基本的な土台は同じだとしても、交流分析やNLPといった心理学ともなると変化も顕著になってもおかしくはありませんからね。
また、交流分析やNLPを始めとした心理学の多くはアメリカを発祥としているので、それらを元に日本人に合わせて変化させられるのも珍しいことではありません。

交流分析の概要

交流分析について勉強中の皆さん、こんにちは。
これまで、交流分析のいろいろなことについてご説明してきましたので、ここで一旦、交流分析とは何かについて、おさらいしてみたいと思います。
こういった基本的なことは復習しておかないと意外と忘れがちなことですので、たまには振り返ってみましょうね。
・・・では、交流分析とは。

交流分析とは、英語では「Transactional Analysis」と呼び、略称として「TA」とも呼ばれています。
交流分析の創始者はエリック・バーン氏。
エリック・バーン氏は精神分析の創始者であるフロイトの弟子でもあります。

交流分析はコミュニケーション理論を含む心理学の一種。
その内容を簡単に説明すると、これまでにも何度も取り上げた「親としての心」「子供としての心」「成人としての心」の3種を分析していくものです。
心理学の一種とはいえ、交流分析は他の臨床心理学とは明らかに異なる点がいくつかあります。
交流分析の特徴でもあるのですが、まず対人関係(コミュニケーション)を扱うこと。
そして重要なのが、個人の生き方について説明していることです。
ただ、これらから分析して導き出せる問題にどう対処していくかを考えるのは、どの心理学とも共通する点でしょう。

エリック・バーン氏創始当時、例に違わず交流分析は発展途上の心理学でした。
もちろん、今も発展を続けていることには変わりありませんが、様々な経緯を経て、現在交流分析は次の3つの流派があります。

1・古典派
「成人の心」を重視しており、エリック・バーン氏の考えに忠実に沿っています。

2・再決断派
「子供の心」を重視しており、ゲシュタルト療法を交流分析に統合しています。

3・カセクシス派
「親の心」を重視しています。

しかし、最近では分派よりも再統合していく傾向にあるようです。

交流分析・・・ミニ脚本

交流分析において人生脚本は有名です。
人生脚本は長期的に人生を考える概念ですが、それに対して短期的に述べているのがミニ脚本です。
これは、ヘッジス・ケーパーとテイビー・ケーラーという二人の心理学者によって提起された、交流分析の概念のひとつです。

ミニ脚本で述べられている概念は、短時間に起こると考えられる行動パターンです。
人生脚本が自らの人生を物語的に計画してしまうものならば、ミニ脚本はそれを裏付けて強化していく行動のひとつひとつだと言うことができるでしょう。

ミニ脚本には以下の4つからなる基本概念があります。

【ドライバー】
「駆り立てるもの」とも言い、ミニ脚本の第一段階。
以前13の禁止令の項で述べた拮抗禁止令(完璧にしろ・満足させろ・努力しろ・強くなれ・急げ)を発し、これによって精神的に働きかけることです。

【ストッパー】
ドライバーの拮抗禁止令に対応しきれなくなると、次はこの「ストッパー」が起こります。
ストッパーにもドライバーと同じように、楽しむな・愛されるな・幸せになるな・自立するな、という4つの禁止令があります。

【ブレーマー】
ストッパーの禁止令が自分に対してではなく、他人に対して感じるようになることが「ブレーマー」です。

【ディスペア】
ディスペアとは絶望や落胆です。
他人に尽そうとする「ドライバー」、そのために自分を犠牲にしようとする「ストッパー」、責任転嫁の「ブレーマー」、これら三つが相互作用すると起こるものです。

交流分析・・・用語集①

明けましておめでとうございます。
今回は新年第一回目の更新ということで、いつもとは少し趣向を変えて、交流分析の用語についてまとめてみたいと思います。
とはいえ、交流分析の用語は非常に数が多いので今回だけで全てを紹介することはできません。
なるべく主要なものから数回に分けて紹介していきますので、どうぞ皆さんお付き合いください。

【エゴグラム】(egogram)
まずは、エゴグラム。
これについては、以前にとり上げて説明しましたね。
交流分析で頻繁に利用される図表で、機能的自我状態モデルによるサブディビジョンの、パーソナリティ中における重要度を評価したものを指します。

【エピスクリプト】(episcript)
人生脚本の一種で、親から子供に与えられるネガティブなもの。
「それをすれば解放されるに違いない」といった希望的観測。

【汚染】(contamination)
自我状態モデルにおける「子供」や「親」の自我状態の一部を「成人」のものと履き違えること。

【過剰反応】(over adaptation)
「自分は他人からこんな期待をされている」といった思い込みによって適応しようとする受け身的行動。
本来の相手の考えを確認することはなく、同時に自分自身の要望を抑え込むことになる。

【活動】(activity)
話し合いだけでなく表明・同意された目的を達成するための、時間の構造化。

【決断】(decision)
幼少時に感じとったことや現在の経験から、生き残るための方法として最良と判断した結論。

交流分析士の資格

今回は、交流分析に関する資格についてご説明します。
交流分析に関する資格の名前は、そのまま判りやすく「交流分析士」です。
前回お話した「日本交流分析学会(日本TA学会)」が認定する交流分析の資格なので、確かな権威があります。

「交流分析士」になるまでの流れは以下の通り。

1・日本交流分析学会に入会
学会に入会するためには、審査を受けなくてはなりません。
大学学部か同等の学識があり、教育・医学・看護・心理学・保健衛生といった諸分野の職業についていて、それらに認められると正会員に登録。
そうでなければ、準会員に登録されます。

2・認定申請
交流分析士になるため受験を受けるには、日本交流分析学会に入会し、正会員として3年以上経っていなくてはなりません。
もし正会員からではなく準会員として入会した場合、正会員となるために講習会に参加して交流分析について勉強することが必要となります。

3・書類選考
交流分析士になるためには、以下の経験等が必要です。
 1・他の学会や研究会でのものを含めての学会発表を2回以上。
 2・学術雑誌や学会誌に、著書や原著論文が1編以上掲載されている。
 3・具体的ケースを実践した経験が5例以上。
 4・自己分析(交流分析による)
 5・学会や研修会への参加。
 6・学会認定研修スーパーバイザーからの推薦書あり。
・・・これらの記録等を記した書類で選考され、学会理参会にて合否の認定がなされます。
「交流分析士」を目指す方はぜひ頑張って取り組んでください。

交流分析の機関など

ありとあらゆる業種に協会・学会・資格などがあるように、交流分析にもそれらが存在します。
協会は「NPO法人日本交流分析協会」や「日本TA協会」、学会は「日本交流分析学会」。
資格は「交流分析士」の資格となりますが、これには日本カウンセリング学会に認定されているものと、日本交流分析協会に認定されているものの2種類があります。
当然ですが、どちらもエリック・バーン氏が提唱したことが元になっています。

協会や学会では、交流分析を学ぶための講習・セミナーや、交流分析に関する大会などが数多く開かれています。
交流分析を正しくしっかりと学びたい方は、これらが関係している場で学ぶことがいちばんの方法でしょう。

上記のものは日本における交流分析の機関ですが、もちろん、国際的な交流分析の機関も存在しています。
その名も「国際交流分析協会」。
「The International Transactional Analysis Association」から、通称を「ITAA」とも呼ばれています。
(「Transactional Analysis」の日本語訳を「交流分析」といい、交流分析を「TA」と呼ぶこともあります)
他には、「欧州交流分析協会」に「西太平洋交流分析協会」、それから国際的な交流分析学会も。

以上のように、世界のありとあらゆる国をまたいで交流分析の協会や学会が存在しているのです。
つまり、交流分析は心理学理論・心理療法として非常に注目を集めているのだと考えられるでしょう。

交流分析・・・ストローク実践

以前、ストロークの種類には身体的なものと精神的なものがあり、さらにそのそれぞれにプラスの要素のものとマイナスの要素のものがあると説明いたしました。
ですが、ストロークの種類はそれで全てではありません。
ひとつ、説明していない系統の種類があるのです。
それが、条件付きのストロークと無条件のストロークです。
これについては、実践を踏まえて説明したいと思います。

例えば、何かについて人を叱るとき。
叱るときには何故いけないのかを分かりやすく説明しなければいけません。
ただ「駄目だ!」と怒鳴りちらしているだけでは、感情的になって相手そのものを否定することになってしまいます。
「~だから駄目なんだ」と理由を挙げて叱る。
これが条件付きのストロークです。

次に、例えば人を褒めるとき。
叱るときには理由をつけるのに対して、褒めるときには理由を付けない方が効果的とされています。
「~だから偉い!」と理由を述べたてるよりも、「すごいね!」と相手の全てを褒めてあげるべきだということです。
これが無条件のストローク。

条件付きストロークと無条件のストロークは、以上のような使い分けが必要です。
これらに加えて、プラス要素のストロークを使いこなし、相手とストロークのやりとりを行うことが理想の人間関係です。
なるべく良いストロークのやりとりをするためにも、交流分析やNLPはどんどん実践していってください。
家庭や友人関係でももちろんストロークは必須ですし、仕事においてもNLPビジネスコンサルティングが各種企業で取り入れられているあたり、ストロークの重要性はもはやお分かりのことでしょう。

交流分析・・・ストローク・その2

交流分析的に言うと、ストロークとは「存在認知の刺激の一単位」です。
存在認知についてはすでにご説明したとおりですが、刺激とはいったいどういうことでしょうか。
ストロークにはプラスの要素のものとマイナスの要素のものがあり、もちろん他者から受け取るなら誰でもプラス要素のストロークを好みます。
では、マイナスのストロークを受けるのと、ストロークを全く受けないのとではどうでしょう。
ここが、交流分析においての問題となります。
この場合、人間はマイナス要素でもいいのでストロークを受ける方を選びます。
つまり、周囲の人間から無視され続けるよりも、蔑まれる方を好むのです。
それは何故か。
理由は簡単、人間は心に刺激を求めているからです。
人間は良いことをすれば心に刺激を感じます。逆に悪いことをしても刺激を感じます。それらはどんな人間にとってもある種の快感となります。
行為の善悪に限らず、心は刺激を欲していると交流分析では考えられるのです。
ストロークも同じ。
ストロークの種類がプラスにしろマイナスにしろ、何かを受けたならば心に刺激を得るのです。
しかしストロークがなければ刺激もないまま。つまり、心は満たされないまま。
ストロークのひとつひとつを刺激の1単位として数えられるのはこういった理論によります。
以上が交流分析におけるストロークについて。
それでも、やはり自分が受けるストロークはマイナスではない方がいいですよね。
もちろん、ストロークが全くない生活もきっと耐えられないことでしょう。
人間どうしのよりよい交流にはNLPコミュニティが最適です。
交流分析をためしつつ、NLPセミナーも受け、充実した生活を送りたいものですね。