交流分析とTA

TAとは「Transactional Analysis」の略で、これの意味は「交流分析」。
交流分析はTAとも呼ばれており、これら両者は同じものを表している・・・というのは広義には確かにその通りですが、厳密には間違いがあります。

交流分析の創始者はエリック・バーン氏ですので、当然その当時は日本語で「交流分析」ではなく「Transactional Analysis」と呼ばれていました。
これが日本に伝わり研究を重ねていくうちに、英語ではなく日本語で「交流分析」と呼ばれるようになったのです。
そのため、TAとはエリック・バーン氏が考案したものであり、交流分析とはそれに日本の考えを織り交ぜたものを指すのだとも考えられます。
TAと交流分析を別物として考えるなら、TAこそが本流であり、しかし日本人に合うのは交流分析だということにもなるでしょう。

TAと交流分析には明らかに異なる点がいくつかあります。
例えば、自我状態(子供)の表記の仕方ですが、TAでは「Natural Child(NC)」と書き、交流分析では「Free Child(FC)」と書きます。
目に見えて判る違いでは、エゴグラムの書き方が、TAでは棒グラフ、交流分析では折れ線グラフとなっています。
・・・なるほど、日本人としては「Free」と表現したり折れ線グラフの方が判りやすかったのかもしれませんね。

人間は育った環境によって精神状態や習慣が違ってくるものなので、国が違うとなると学問でさえ大きく変容します(お国柄というものです)
基本的な土台は同じだとしても、交流分析やNLPといった心理学ともなると変化も顕著になってもおかしくはありませんからね。
また、交流分析やNLPを始めとした心理学の多くはアメリカを発祥としているので、それらを元に日本人に合わせて変化させられるのも珍しいことではありません。